新規事業開発を加速させ、次の100年を創る
ーーまず、御社が新規事業開発に積極的に取り組まれている理由を教えてください。
菊池:弊社は約100年間、バルブ製造を主軸事業として発展してきた会社です。これからは、これまでのバルブ製造に加えて新しい技術やサービスを開発し、次の100年を創ることを目標に掲げています。
そのため、今の代表・岡野が経営に参画したここ10年間は、バルブ製造にとどまらない広い視野で様々な事業を立ち上げています。特に岡野が代表取締役に就任した2020年からは、その動きが加速しています。

ーー今回、そんな新規事業開発を担うBizdev人材採用活動を、TECH PLAYと行いました。TECH PLAYご依頼前に、どのような課題を抱えていたのでしょうか?
菊池:圧倒的な人材不足ですね。弊社は100年間バルブの製造とメンテナンス事業、研究開発を行ってきました。それらの事業で一番大切なのは、安定してミスなく運用すること。当たり前ですが、事故を起こしてはならないですし、万が一でも製品にミスがあってはいけません。「攻め」か「守り」かで言うと、「守り」が特徴の会社です。
そのため、従業員はリスクの高い仕事に慣れていない状態でした。つまり、新規事業を立ち上げること自体が、元々の社風や企業文化とミスマッチで。できる人材もいなかったのです。
私も代表の岡野も、本来は「まずは自分で何とかしよう!」という性格ではあります。当初は元々いる人材で事業開発も進めていました。ただ、それだと自分たちが望むゴールに到達するまで10年、20年かかってしまいそうなスピード感で。新規事業開発をもっと加速するためには、即戦力となる中途人材を入れて、どんどん0→1を起こしていかなければという結論に至りました。そこで、TECH PLAYに依頼をすることになったのです。
TECH PLAYの熱量に、相性の良さを感じた
ーーTECH PLAYへのご依頼以前に、Bizdev人材採用は行っていたのでしょうか?
菊池:はい。元々はリファラル採用を行っていましたが、数も足りないですしスピード感も遅く、限界を感じていて。また、様々なエージェントサービスも利用していましたが、なかなか採用に至らないことも多く…。しかも弊社の人事も十分なリソースがあるわけではありません。自社だけで採用活動をするのではなく、パートナー企業にお任せする方が良いのではないか、という考えに至ったのです。
ーーでは、採用プロジェクトのパートナーとしてTECH PLAYを選んでいただいた理由は?
菊池:サービスとしての知名度はもちろんですが、実際に担当者にお会いした際に、「この人たちだったらお願いできる」と感じられたことですね。情熱を持って仕事をしている雰囲気が伝わってきました。
きっと、私たちのように仕事に対して前向きに熱くなれるタイプだなと。新規事業をどんどん立ち上げていきたい想いを抱いている弊社と同じテンションで協業してくれるであろう相性の良さを感じました。
ーーこれまで利用されていたエージェントサービスとの違いも感じましたか?
菊池:もちろん、エージェントサービスとも相性の良さは感じていましたし、魅力的な方は紹介いただいていました。ただ、弊社が求めている人材要件のハードルがかなり高くて、なかなか採用には至らなかったのです。
特に首都圏で活躍しているBizdev人材を採用しようとすると、弊社がある北九州まで移住をしなければなりません。移住と転職がセットになると、候補者としてもなかなか踏み切れないんですよね。
だからこそ、今回TECH PLAYでは短期間でたくさんの人を採用する、というゴールを見据えたプロジェクトにしました。某スカウトサービスを利用しながら広くアプローチをしていく座組みも魅力的でした。
TECH PLAYで、経歴では見えてこない逸材を発掘できた
ーーTECH PLAYで達成できた採用の実績や効果を教えてください。
菊池:50名くらいの採用プールを作り、実際に6名の採用ができました。正社員3名、業務委託3名です。
北九州に移住したメンバーもいれば、中には副業的にリモートで働いているメンバーもいます。
この6名は、職歴や学歴、転職回数と言った条件で絞っただけでは見つけられなかった逸材です。自分たちだけでは見つけられなかったと感じます。そういった方々の「生き様」を見出し提案してくれたのもTECH PLAYならではでした。
弊社としても、新たな人材を採用するにあたって、管理職以上の報酬制度を見直したり、一部リモートでの働き方を取り入れたりと、社内の改革も柔軟に進めました。

ーー今回の採用プロジェクトでは、ペルソナ設定や訴求ポイント策定などの採用戦略についてもTECH PLAYが伴走しました。そういった面での満足度はいかがでしたか?
菊池:満足度は高いです。弊社の採用意図も汲んで、状況によってスカウトの基準も柔軟に変えていただきました。
というのも、最初にターゲットとして設定していた人材像から途中、少し軌道修正した点もあって。採用活動をしていく中で、経歴やスキルセットでは判断しづらい部分を見ていくべきでは?ということをTECH PLAY側が気付き、提案してくれたのです。結果的に、様々な経歴の方が入ったことで、チーム内の多様性も担保されています。
条件以外で人材の魅力を測るというのは、ある意味リスクがある提案でもあったと思います。でも柔軟に対応して、成果を出してくれた。これは非常にありがたかったですね。
地方企業が新規事業を立ち上げるためには、まとまった人数の採用を
ーー元々貴社は「守り」タイプの社風だったとのこと。今回のような「攻め」タイプの新しい人材との相性は?
菊池:元々弊社にいた人材と、今回採用したBizdev人材は噛み合わないだろう、というのが前提でした。ただし、文化が違って嚙み合わないことにストレスを感じるのではなく、周りを巻き込んでチームで成長できる人材を探していたのです。
少数精鋭で事業開発をする環境下では、ポジションも流動的に変わります。それこそ1つの事業がうまく行かなければ、また別の事業を創る…ということを連続的にやらなければなりません。
そういった柔軟性が高い仕事を担うポストなので、異なる文化を楽しめる「適応能力のある人」である点も重視して採用を行いました。
ーー採用した6名は、現在どのような仕事をされていますか?
菊池:製造業の受発注のマッチングプラットフォームIoM事業や、プラント設備のDXを実装するVQ事業のマネージャーをお願いしている方もいます。また、今回の採用にあたり経営企画室も新設しました。立ち上げた事業のスケールをしてもらいつつ、さらなる新規事業の準備も進めています。他にも経営層と一緒に事業計画を作ったり、地域連携分野などのプロジェクトを任せたり。様々な分野で活躍しています。
TECH PLAYと採用活動を共にしたことで、私も100人以上の履歴書を見て、50人以上と面談をしました。そのおかげか、新規事業開発で成果を上げる人材がわかるようになってきた気もします。
今回、多様な人材が入社したことで、岡野バルブは良い意味で違う会社になりつつありますね。大手と比べたらリソースはまだ少ないですが、今後は今の会社規模くらいの事業立ち上げもしたい。そういった経験がある人材も採用していきたいです。
ーー菊池さんが感じる、新規事業開発で成果を上げる人材とは?
菊池:スキルだけがあるのではなく、チームに良い影響を与えられる人材ですかね。
また、地方企業が新規事業開発をするためには、ある程度まとまった人数の人材を採用した方が良いとも感じます。まずはスポーツで言うところの監督的な立場で指示ができる「起業家タイプ」の人材を入れる。そこで戦術・戦略を決めた後、良いプレイヤーを入れていく、といった順番です。
弊社で言うと、岡野が監督で、2018年に参画した私がプレイングマネージャーという役割ですね。
ーーこれから新規事業開発に力を入れたい地方企業にも参考になりそうです。
菊池:求めているポストに求めているスキルの人材がいきなり現れることはほぼ無いと思います。だからこそ、ある程度まとめて採用して、チームで活躍してもらうことを意識すると良いのではないでしょうか。
代表の岡野も「まとめて5人くらい採用しよう」と言ってくれたので、それは大正解だったと感じますね。
既存の概念にとらわれないクリエイティブな採用活動を
ーー今後、TECH PLAYに求めることはありますか?
菊池:TECH PLAYには約27万人(2024年10月時点)のエンジニアの登録者がいるので、業界ジャンルやスキルタイプごとにコミュニティ化されたら面白いですね。
そのコミュニティに弊社のような地方企業がアクセスできるようになれば、非常に価値があると思います。地方だとエンジニアと出会うきっかけも少ないので、もはや価値ある人材との出会い方がわからない中で採用しなければならない状況になりがちです。だから求人情報も書けないですし、良い人材の判断基準がわからない。
そんな時、理想の人材が集まったコミュニティを覗けたり、そこにいる人たちの話を聞けたりしたら、とてもありがたいと思います。
ーー最後に、御社のように新規事業開発を進めていきたい、地方企業に向けてメッセージをお願いします。

菊池:地方で新規事業開発に一生懸命取り組んでいる企業は、そもそもサンプル数が相当少ないと感じています。もちろん、私たちも試行錯誤中です。
今後、そういった企業が増え、もっと知識や経験、ノウハウを溜めていって集合知を作りたいですね。そうなれば成功事例も作りやすくなると思います。だから多くの地方企業にも事業開発に取り組んでほしいです。
また、今回のプロジェクトを通して、採用活動はもっとクリエイティブにできると実感しました。人の能力は外から見ていてもわからないので、オンラインの面談だけに頼るのは違うなと。
私は今回、候補者と会う回数をとにかく増やしました。ランチ面接やオファーした方複数名と飲み会をしたことも。このように、一般的な採用活動とは異なるクリエイティブな動きを意識した結果、転職を検討していなかった人材の採用にも成功しています。「岡野バルブは異質だな」と思われるようにあえて行動していましたね。
これからの時代、採用も既存の概念にとらわれずに実施していくことが大切です。そういった考えの方がいる地方企業は強いと思いますよ。