デジタル技術を切り口にした地域企業の新事業創出と、デジタル人材のUIJターン推進に力を入れる仙台市

ーーあらためて「仙台X-TECH イノベーションプロジェクト」の概要をご説明ください。

小池:2018年から始動したプロジェクトで、大きく3年ごとにテーマを変えています。

2018年から2020年までの最初の3年間は、オープンイノベーションを軸にしていました。仙台市が伴走しながら、大手企業と地域の中小企業やスタートアップ企業がタッグを組んでX-TECHイノベーションを推進。大手企業にとっては新規ビジネス立ち上げのチャンスを、中小・スタートアップ企業にとっては新しい製品やソリューションを作るきっかけにしてくれればという思いがありました。

続いて2021年から2023年までは、AIにフォーカスしています。地域企業のAIを切り口にした新規ビジネスの立ち上げや、既存事業の高度化の支援を行いました。

そして今年度からはAIに加えて、その素材となるデータの利活用にもスポットを当てたプロジェクトが始動しています。

プロジェクトについて語る仙台市の小池様

ーー「仙台X-TECH イノベーションプロジェクト」全体としての成果はいかがですか?

小池:特にここ数年は非常に多くの地域企業がプロジェクトへ参加しています。その中で、企業主体の新しいプロジェクトも生まれています。また、民間企業同士の横の繋がりができることで新しいビジネスが生まれることもありますね。そういった成果が複数出てきています。

ーー今年度からはIT人材の「UIJターン推進事業」も始まりました。

荒川:はい。こちらはIT人材確保の一環として取り組んでおり、首都圏から仙台へのUIJターンを促進する事業です。

私たち仙台市産業振興課は「地域企業の支援」をミッションに掲げています。「仙台X-TECH イノベーションプロジェクト」は、新規事業の創出や自社ビジネスの高度化を目的としている、あくまで「事業」にフォーカスしたプロジェクトです。

一方で、仙台市では地域のIT企業の人材確保も課題となっています。こちらの事業でも、TECH PLAYにはお世話になっています。TECH PLAYのプラットフォームでのイベント周知はもちろん、集客にもご尽力いただいています。お陰様でどのイベントも多くの申し込みをいただいている状況です。

また、TECH PLAYからは「UIJターン推進事業」でも「TECH × 社会課題の解決」を切り口に認知獲得を目指そうという提案をいただきました。これは「仙台X-TECH イノベーションプロジェクト」で大切にしていることです。そういった横展開も実際に成果につながっています。

UIJターン推進のテーマに「社会課題解決」を掲げたTECH PLAY

ーーありがとうございます。一連の事業のパートナーとしてTECH PLAYを選んでいただいた理由も教えていただけますか?

小池:まず、パーソルイノベーションとして、オープンイノベーション支援の知見があったこと。さらにTECH PLAYは「新しいきっかけ」を生むようなオウンドメディアを持っており、登録者数もしっかりといたこと。当初、その点を評価して選定しました。

佐原:また、「仙台X-TECH イノベーションプロジェクト」で長年関わっていたからこそ、TECH PLAYは仙台市ならではの課題感も認識しています。だからこそ「UIJターン推進事業」でも「社会課題の解決」というテーマをご提案いただけました。その新鮮な切り口が、引き続きパートナーとして協業にいたった理由でもあります。

プロジェクトについて語る仙台市の佐原様

小池:UIJターンを自治体が推進しようとすると、どうしても「仙台の魅力をPRしよう!」「地域PRのイベントを開催しよう!」などの方向に向かいがちです。仙台に来てもらうためのフックとしての社会課題解決という視点はTECH PLAY独自だと感じましたね。

ーー「仙台X-TECH イノベーションプロジェクト」には運営パートナーに多くの企業も関わっています。TECH PLAYの役割・立ち位置は?

荒川:TECH PLAYには、様々なセミナーやワークショップ等のイベントページの作成をお願いしています。そしてイベントページを使った認知・周知もお願いしています。

また、昨年まで仙台市では、AIやデータ活用による新規事業を創出したい方向けに伴走支援型のプログラムを提供していました。その際、TECH PLAYがメンターの方と繋いでいただいて。人との繋がりの創出もTECH PLAYが担ってくれています。

TECH PLAYだからこそできた、"ワンランク上"のイベント実施

ーーTECH PLAYを使うメリットはどんなところにありますか?

佐原:主に3点感じています。1点目が、広報媒体としての集客力。TECHに特化したメディア媒体なので、登録されている方もIT分野に強く関心を持っている方です。その中でIT産業の振興やIT技術の活用に強く興味を持っている方に対して、私たちのプロジェクトを届けることができています。イベントの立ち上げからメール配信、SNS投稿といった宣伝告知メニューも充実していて、とても心強いです。

2点目は、TECH PLAYで制作されている記事の質の高さ。TECHの知見が豊富で、長く仙台市と関係があるからこそ、過去の事業参画に関わった経過等、IT産業や技術に興味を持っている読者に共感をしていただけるような、とても良い記事だったと感じています。個人的にもTECH PLAYの記事は、興味深く読んでいます。

3点目は、情報発信力です。先ほどの記事も、TECH PLAYのプラットフォーム以外のメディアにも展開されています。記事媒体からの集客もあるはずなので、私たちのプロジェクトを広く届けてくださるのはありがたいです。

荒川:私たちがイベントを開催するにあたって、課題の一つが集客力です。イベントの満足度自体は高く評価いただけるのですが、そもそもイベントの存在を知ってもらえないので…。その点はTECH PLAYを利用することで、大きく改善されたと感じています。

「UIJターン推進事業」のような新規事業を立ち上げても、私たちにはノウハウがなく、手探りになってしまう部分もありました。そのような中、企画の立て方から細かいイベントのスケジュールなど、TECH PLAYがリードしてくれて。

ただイベントを行なうことだけでなく、「このイベントの目的を達成するためにはどうするべきか」といった一歩先の世界まで考えられているのは、TECH PLAYのおかげですね。

プロジェクトについて語る荒川様

小池:仙台市との長い付き合いはもちろん、全国の自治体や企業とのプロジェクト経験が豊富な点も、TECH PLAYならではの強みだと感じています。以前は沖縄県ともUIJターン支援事業を行っていたと聞いています。その取り組みを踏まえて仙台市向けにアレンジをしてくださっていて。

メンターとして繋いでくださる方も、全国の自治体の課題解決にコミットしている方ばかりです。その人脈自体も仙台市の支援に繋がっています。

仙台市の特性を理解しているからこそ、デザインも表層的にならない

ーー逆に、今後TECH PLAYに求めることはありますか?

小池:引き続き仙台・東北の産業構造や課題感を深く理解していただきたいです。そして、そういった方が増えてくださると嬉しいですね。仙台の経営者ならではの考え方やパーソナリティまでご理解をいただけると、より良いメンターのアサインやプロジェクトに繋がるのではないでしょうか。

ーープラットフォームとしての使いやすさなどはいかがでしょうか?

佐原:ストレスフリーで使っています。今後は、インタビュー記事の読者の属性がわかるとありがたいですね。例えば「過去にこんなイベントに参加した方が仙台市の記事を読んでいる」といった視点など。「この記事を見た方にこのイベントを周知しよう」といったレコメンド機能などがあると良いですね。

小池:イベントの数が多いTECH PLAYの中で、仙台市のイベントを埋もれさせずに対象者に届けるという点は、永遠の課題でもあります。

まだ本人は必要だと思っていないけど、きっと必要であろうという人にイベントの情報が届く機能やソリューションがあると、より心強いです。

ーーLPやバナーなどのデザイン面のフィードバックはありますか?

荒川:デザインの引き出しが多くて、とても満足しています。今年の「仙台X-TECH イノベーションプロジェクト」は私たちの意向で固定のデザインで運用していますが、昨年までは毎年デザインを変えていました。TECH人材に刺さりそうなデザイン案がとにかく豊富ですよね。「UIJターン推進プロジェクト」のバナーも、仙台らしさが出ていて目を惹きます。

小池:デザインに関しても、イベント企画同様にやはり仙台市のことをどれだけ理解しようとしてくれるかが重要なのだと思います。ありきたりなパッケージプログラムではなく、仙台市の地域特性や産業特性を踏まえることで、良いクリエイティブになるのだと思います。

自治体の課題である「集客」。TECH PLAYならば解決できる

仙台市経済局イノベーション推進部の3名

ーーでは、どのような課題を抱える自治体に対して、TECH PLAYが有効だと感じますか?

佐原:やはりTECH PLAYの情報発信力にメリットを感じています。本市を含め、周知を行う際、基本的には自治体のホームページや、関係団体の告知等、周知方法が限定的と感じることがあり、TECH PLAYを利用することにより、特にエンジニア等のTECH系人材へ行政サービスを届けることができます。

荒川:また、自治体の中には、地域外の人との繋がりを求めている自治体もあります。そこもTECH PLAYは有効だと思います。

理想を言えば、仙台の課題を仙台のプレイヤーが解決していくサイクルを生みたいと思っています。しかし、地域の力だけでは思うようにX-TECHが進まないことがあるのも事実です。まずは外部の力を借りながら、仙台の地力を引き出すステップが必要な場合もあります。その時、人と人との繋がりをTECH PLAYは提供してくれます。

ーー最後に、「仙台X-TECH イノベーションプロジェクト」「UIJターン推進事業」の今後の展望を教えてください。

小池:「仙台X-TECH イノベーションプロジェクト」では今年度からまた3年間の新規プロジェクトがスタートしました。AI・データを利活用した新規事業創出や既存事業の高度化がテーマです。

今回目指すのは、これまでの取り組みから生まれたアイデアを新しいモデルケースとして複数実装すること。そして、それをきっかけに周辺の企業も参画したり、新規プロジェクトをスタートしたりできたらと思います。そのためには、地域の中でエコシステムを作ることと並行して、引き続き地域内外からの力も借りていきたいです。

「UIJターン推進事業」では、「仙台にはテクノロジーを作る側も活用する側も活躍の場がある」ということをしっかり発信していきたいです。仙台には社会課題もあれば、SlerやIT企業もたくさんあるのです。そして、仙台だからこそ働きたいと考える人を増やし、ゆくゆくは実際に仙台で働く人を増やすことを目指しています。