転職を考えていない潜在層への継続的な発信のため、採用ブランディングを実施

左:堂園亜由美氏 中央:廣瀬智之氏 右:松澤彩香氏

―― 採用ブランディングに着手した背景を教えて下さい。

廣瀬:IT人材不足は社会的な問題です。だからこそ弊社でも多様なバックグラウンドを持つ優秀なIT人材を集め、育成を強化したいと考えています。弊社は新卒採用のイメージが根強くありますが、実は、直近約3年では、法人分野だけでも年間百数十名以上の経験者採用実績があります。

しかし、それでも外資系コンサルファームやネットワーク企業などとの競争に苦戦している現状。弊社にも同様のスキルで活躍できる業務は多く存在しているにも関わらず、NTTデータが持つ最新技術やブランド力などの真の魅力がエンジニアに正しく届いていない点に原因があると感じています。採用ブランディングに力を入れた経緯はそういった点にあります。

――では、採用ブランディングとして具体的にどんなことに取り組みましたか?

松澤:法人分野の中でも、特に製造ITイノベーション本部(2023年4月から、法人分野インダストリ統括事業本部、システムインテグレーション事業本部)では、先行して2021年から採用ブランディングに着手してきました。
GoogleやInstagramへの広告配信から、自社による採用LPの構築、YouTubeでの社員インタビュー動画配信など、"中の人"が何を考え、どのようなプロジェクトを扱っているのか、発信をしてきました。
もちろんTECH PLAYでのイベント開催も、採用ブランディングの一環です。

経験者採用LPは、社員の生の声が聞けるコンテンツとなっている。

――採用ブランディングで意識していることはありますか?

松澤:まだ転職を視野に入れていない潜在層への継続的な発信です。これまでも転職サイトへの記事掲載などで、顕在層へのアプローチは少ないながらも出来ていました。しかし潜在層へは発信できておらず、TECH PLAYをはじめ転職をフックとしないチャネルでの発信を増やすよう意識しました。いざ「転職したい」と思った時に「NTTデータが面白いことをやっていたな」と想起されることを期待しています。

時間はかかるが、確実な効果が。"継続"が採用ブランディング成功のカギ

―― 採用ブランディングに取り組み、実際の効果はいかがですか?

松澤:実は、採用ブランディングに着手した2021年度の応募数だけ見ると、期待値を越える効果は出ませんでした。しかし、さらに1年経ち、徐々に効果が現れています。

潜在層をターゲットにしているのだから、LPやTECH PLAYを見てすぐ「転職しよう」と思う方は少ないはずです。諦めずに発信を積み上げてきたことが今の効果につながっていると感じます。採用ブランディングは長い目で見て継続することがカギですね。

堂園:その甲斐もあり現在では、TECH PLAYのイベントで募集した職種の経験者採用数が、以前に比べて倍増しています。また、たとえ対象職種ではなかったとしても、選考の中で「LPを見てNTTデータに興味を持ちました」という声もいただくようになりました。

NTTデータ 採用ブランディングの効果について語る松澤氏と堂園氏

松澤:新入社員からも、内定期間中にLPやYouTubeでの先輩インタビュー動画を見て「期待に胸が高まった」という声も挙がっています。当初想定としていなかった層へも発信が届き、また我々も自社を紹介する際にこうしたツールを活用することで、解像度の高い情報を届けられるようになった点でも、効果の高さを実感していますね。

―― しっかりと効果が現れた秘訣は、どんな点にあるのでしょうか?

松澤:まず、社外のターゲット層へNTTデータのイメージについてインタビューを実施したことですかね。やはり社外からは「NTTデータは公共・金融に強い」「お堅い」という印象が多く聞かれました。モビリティ業界にいる方からも「NTTデータにモビリティのイメージはない」という声すらあったくらいです。

これまでもニュースリリースは出していたのですが、それでは発信が弱いと痛感する結果になりました。一方的な想いだけで発信してしまうと、世の中が求めている情報とズレが生じてしまうのです。「世間の視線」を把握したからこそ、どんな情報が求められているか明らかになり、現在の採用ブランディング設計にいたりました。

優秀なエンジニアとのタッチポイントを作る上で、TECH PLAYは有効

――採用ブランディングの一環でTECH PLAYを導入された理由は、どんな点にありますか?

松澤:社外インタビューの結果、より具体的なプロジェクトと"人"の発信が必要だと感じました。そのためには記事だけではなく、動画配信や双方向でコミュニケーションが取れるイベント開催がベストでした。特にTECH PLAYはエンジニアの会員数が多いだけでなく、勉強会のプラットフォームなので、意欲が高い方への情報発信が可能である点に強く惹かれました。

NTTデータ TECH PLAYを活用したエンジニア採用施策について語る松澤氏

―― 過去4回、TECH PLAYでイベントを開催いただきましたが、ご利用されての評価をお聞かせください。

松澤:製造ITイノベーション事業本部はチームごとにミッションや求める人材が異なるので、モビリティ事業を行う4チーム、それぞれのターゲット向けに4回イベントを開催しました。
参加者の方は、我々がターゲットと想定していた優秀な技術者が多く、彼らとの新しいタッチポイントが作れたと思っています。

また、TECH PLAYの担当者の方と一緒にイベントを企画できた点も勉強になりました。情報発信はつい独りよがりになりがちですが、参加者が何を求めているかをベースにアドバイスいただけたので、有意義なイベントが開催できたと感じています。
特に第2回では、外部のモビリティ専門家を招いたことで、より深い議論が誘発できましたし、ZoomではなくYouTubeで配信したことで、参加やコメントのハードルも下がりました。こういった設計の工夫も、TECH PLAY側からのご提案です。イベントの知見があるからこその視点だと感じました。

TECH PLAYでは、製造ITイノベーション事業本部として過去4回のイベントを実施。動画はアーカイブされているので、現在も視聴可能。

―― TECH PLAYのイベント参加者からは、どんな声が多かったですか?

松澤:やはり、「イメージが変わった」というお声がとても多かったです。「大規模プロジェクトでPMだけ担うイメージだったが、技術力がしっかりたまっている」という意見や、「保守的な会社だと思っていたが、柔軟に働けそう」という声など。TECH PLAYでは現場のメンバーも管理職クラスと一緒に登壇したので、上司と担当者がフラットな関係のもとでプロジェクトを行っている点も示せたのは良かったですね。

堂園:TECH PLAYのイベント参加者からの応募はもちろん、イベント開催後のアーカイブを見て、応募いただいた方もいました。TECH PLAYで発信し続けることで潜在層への認知が広がっていると実感しています。

目標は5年でIT業界経験者採用力ナンバーワン。「面白いNTTデータ」をさらに発信

―― 今後、TECH PLAYで、どんなことを発信していきたいですか?

松澤:昨年開催したイベントで紹介したモビリティに関する3つのプロジェクトは、まだまだ我々が取り組んでいることの一部でしかありません。今後も社内の魅力的なプロジェクトや人を積極的に発信し、「面白いことをやっている」ということを継続的にお伝えしていきたいですね。

廣瀬:他社様とのコラボレーションイベントもしてみたいです。さまざまな業界の多くの有名企業様と連携している点は、NTTデータの強みでもあります。我々ベンダー側だけでなく、お客様側もIT人材採用や育成への課題感は同じであるはずです。互いに相乗効果を生み出せる関係を築きながら、IT人材不足の社会問題を解決していけたらと思います。

NTTデータ 今後の採用ブランディング戦略を語る廣瀬氏

―― 最後に、今後の採用ブランディングの戦略についても教えてください。

廣瀬:法人分野では現在、コンサルティング、インダストリー、テクノロジー部門に注力しています。なので、当社のそれぞれの部門が持つ魅力を発信し、仲間を募れる採用ブランディングも強化していきたいです。
特に、テクノロジーに関しては、PMとして大規模なプロジェクトを回せることに加え、例えばデータインテリジェンスなどの高い技術も持つ人材に直接情報を届けていきたいです。

NTTデータは応募にもハードルが高いと感じる方が多いのですが、全社的にも採用スピードを上げるための体制を整えたり、カジュアル面談を取り入れたりなど、"本気で"経験者採用に取り組んでいます。5年以内にIT業界での経験者採用力ナンバーワンを目指しています。